米議会が中国干す「半導体戦略」

党派を超えて国家安全保障へ強い意志。中国へのサプライチェーンを分断し、国内半導体産業を復活させる。

2021年2月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

元旦のワシントンは不穏な空気に包まれていた。休暇を返上して審議を続けていた米議会上院が、トランプ前米大統領が拒否権を発動していた国防権限法案を再可決し、同法案の成立が決まったからだ。賛成票81、反対票13。上院では共和党が議席の過半数を占めるが、法案は超党派で広く支持され、大統領の拒否権を覆すために必要な3分の2を大きく上回った。議会共和党の指導部とトランプ氏が決別した瞬間だった。腹を立てたトランプ氏はツイッターで「情けない!」などと吠えたが、あとの祭りである。米議会は国家の屋台骨ともいえる国防権限法で7400億ドル(約77兆円)の国防予算を定め、後を継ぐバイデン政権に託した。

あぶりだされた中国の弱点

実はこの法案には大きな秘密が隠されている。米国の国防権限法といえば、毎年度の国防予算の大枠を決める最重要の法律である。トランプ氏の場合は、南北戦争の南軍の将官の名前を米軍 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。