ソニー「新卒年収730万」は高いか

IT系トップクラスの新卒年収は2千万円が世界標準。ソニーがぶら下げた「ニンジン」は、甚だケチ臭い。

2019年7月号 BUSINESS [ケチ臭い「ニンジン」]

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ソニーが、人工知能(AI)などの先端領域で高い能力を持つデジタル人材の初年度の年収を2019年度から最大で2割増しの730万円にする。日本経済新聞が6月3日の朝刊一面トップで報じるなど、日本のメディアは「横並びの給与体系の見直しが進み、日本の生産性を高める」(日経)とはしゃいでいる。GAFAが争奪戦を繰り広げる米国やインドのデジタル人材の初年度年収は3倍の2千万円がスタートラインとされる。世界で戦うための頭脳を730万円で雇えると考えているなら、おめでたすぎる。ソニーの新卒は入社から1年は「等級なし」の扱いだが、19年度から優秀な人材には最短で入社3カ月後の7月から等級を与える。最初の等級だと年俸約630万円。さらに優秀だともう1つ上の等級で約730万円になるという。等級をもらえるのは新入社員全体の5%程度だという。

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