「経団連会長は個人が鮮明に出る。それなら、やってみるか」と嘯く自信家を待ち受けるのは「国家の罠」か。
2018年3月号 BUSINESS [東芝の二の舞いはNO!]
日立製作所の中西宏明会長(71)は日本経団連会長に内定した1月9日、「経団連会長という役割は個人が鮮明に出る。それなら、やってみるかと思った次第」と自信のほどをのぞかせた。俺はちょっと違うぞ――。そんな自負があるのだろう。だが、自信家の彼を待ち受けるのは、「国家の罠」かもしれない。
中西は、戦火の余塵くすぶる1946年に生まれた。父の祐憲はその2年前、測定器や制御機器の製造販売を目的とする美和電気を創業。2人の姉の後に生まれた中西は、この町工場の大事な跡取り息子だった。教育熱心な祐憲は、御曹司を横浜市日吉の自宅から都内の田園調布小学校、同中学校に越境させて通わせた。その後、都立小山台高校へ進学。典型的な金持ちの子だったらしく、「ガツガツしていない」と同級生は言う。戦後民主主義の自由な空気があふれる同高で、生涯の伴侶と出会う。妻君は同級生だ。中西 ………
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