中国が「外貨準備」流用で大穴

ピークから80兆円余も急減。海外資源漁りや国内株買い支えで焦げ付く「ブラックボックス」。

2016年5月号 BUSINESS

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3月4日、「忠実なる共産党員」を名乗る人物が、新疆ウイグルのサイト「無界新聞」に公開書簡を寄せた。何と習近平国家主席に対する「辞任勧告」である。3月5日から全国人民代表大会(全人代)を控えた時期とあって、中国当局は直ちに削除したが、コピーは一瀉千里、中国は蜂の巣をつついたような騒ぎとなった(68~69ページ参照)。無界新聞は自治区政府とアリババが共同設立した政府系メディア。そこに習近平“独裁”批判の檄文が載ったことに、溜飲を下げた中国人も多かったろう。興味深いのは、政権の失政の一つに外貨準備(外準)の流用と焦げ付きを挙げている点だ。中国の外準残高は2016年3月末現在、3.21兆ドル。前月比では5カ月ぶりに微増に転じたが、過去最高だった14年6月末の3.99兆ドルに比べると、7800億ドル(80兆円余り)も減っている。中国の企業や経営者、資産家、共産党幹部などが、海外 ………

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