「異次元緩和」からもうすぐ1年。「変節」を迫られた審議委員たちの保身術を採点すると。
2014年3月号 BUSINESS
2013年度の日銀に通信簿をつけてみよう。昨年4月から9月までは100点、10月から今年1月まで50点。平均して75点というところだろうか。昨年4月に消費税増税を織り込めない状況において、2年間で2%のインフレ率をめざそうと思えば、理論的なマネタリーベース(中央銀行等の通貨性の負債の合計)増加は70兆円/年と計算できる。4月段階ではその値通りなので100点がつく。しかし、消費税増税が決まった10月以降、2014年度への悪影響があるにもかかわらず、追加緩和をしていないから50点。もし昨年4月時点で消費税増税を織り込んでいたとしたら、必要なマネタリーベース増加額は100兆円程度になるはずなので、70兆円では足りない。しかも、織り込んでいるかどうかを4月時点で明言していない点は金融政策として不適当である。これらがマイナス50点の理由だ。
辛口の筆者の採点だが、これに日銀内部の人間模 ………
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