白旗開城でも日銀は「猫っかぶり」

2013年2月号 連載 [いまここにある毒]

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「勝利には千人の父親がいるが、敗北は孤児である」。52年前、ジョン・F・ケネディ米大統領が吐いた名言だ。就任早々、キューバのピッグス湾に米軍支援の傭兵部隊を上陸させたが、カストロ打倒作戦は無残な結末を迎えた。勝てば官軍、負ければ賊軍。日本にもそういう諺がある。非情な政治に「ノーサイド」はない。翻ってわが日銀。1月21、22日の政策決定会合で安倍政権が求める「2%物価目標」を受け入れ、蝸牛(かぎゆう)の歩みだった金融緩和のアクセルを踏む。白川方明総裁は任期の最後で白旗開城の屈辱、まさに「日銀ハルマゲドン」だ。ところがどっこい、暮れに新聞の単独インタビューに応じた総裁は、日本をデフレに閉じ込めた失態を一言も認めず、データ操作で捏造した「デフレの人口減少原因説」を撤回しなかった。本石町を枕に討ち死にする根性もなく、政権迎合で中央銀行の独立性を自ら放棄 ………

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