東京駅舎リニューアルと「イルミネーション2012」で賑わう、日本一おしゃれなビジネス街の一角に「緑のオアシス」が誕生。あなたものぞいてみませんか。
2012年12月号
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取材・構成 編集部 和田紀央
ゴールしたボールの数だけ植樹する「森のコースター」
10月1日、待ちに待った赤レンガの東京駅舎リニューアル。門出を祝うように、丸の内ビジネス街に「緑のオアシス」が誕生した。東京駅と皇居を結ぶ「行幸通り」と「丸の内仲通り」の交差点からすぐ(東京駅から徒歩3分)。仲通りの一等地に佇む三菱商事本店の1階に白亜の「MC FOREST(エムシーフォレスト)」はお目見えした。MCとは三菱商事の英文表記(Mitsubishi Corporation)の略。丸の内仲通りの景観に溶け込むようにガラス張りの室内は緑で覆われ、エントランスには「丸の内の森へようこそ。」とある。
晴天に恵まれたオープニングセレモニーは道行く人も加わり、和やかなムードで始まった。三菱商事副社長の鍋島英幸氏は「この地で働く人たちとショッピングや観光で来られた皆様に、この森を散策していただき、地球環境の大切さを感じとっていただけたら嬉しいですね」と挨拶。当日はチャリティーバザー「MCマルシェ」が開かれ、俳優の永島敏行さんがプロデュースした「青空市場」や、三菱商事と縁のあるボランティア団体やNPOが出店し、東北各地の野菜や果物、手工芸品を販売、多くの人で賑わった。
オープン初日のチャリティーバザー
イルミネーションが煌めく丸の内仲通り
MCフォレストの入り口
MC FORESTは、環境保全活動や子どもたちへの支援、地域サポートなど、社会のために三菱商事が取り組んでいることを紹介するソーシャルなスペースだ。
緑のカーペットが敷かれた玄関を入ると、目を引くのは森をイメージさせるオブジェ。その横には、樹々が成長して豊かな森が作られる様子を木製のカラクリで体験できる「森のコースター」がある。サクラの木で作ったボールを入れるとカラクリがカタカタと動き出し、子どもから大人まで一緒に楽しめる。ゴールに達したボールはカウントされ、筆者が投じたボールは2989個目。ガイドスタッフが「ボールの数だけ植樹することになっています」と教えてくれた。この森を訪れた人は誰でも地球環境に貢献できるというアイデアが光っている。
癒し系の緑に囲まれたコーナーでは、120インチの大画面が映し出す森林保全やサンゴ礁保全活動の美しい映像に見入ってしまった。三菱商事が「熱帯林再生実験プロジェクト」を開始したのは1990年。このプロジェクトは、通常300年~500年かかるとされる熱帯林をわずか40~50年で再生させるというもので、マレーシア、ブラジル、ケニア、インドネシアの熱帯林で実施している。
三菱商事は震災直後の2011年4月に、4年間で総額100億円の「東日本大震災復興支援基金」を設立し、スケールの大きさが話題を呼んだ。大学生への奨学金や、被災地のために活動するNGOなどへの助成金の給付、産業復興や雇用創出にも貢献している。社員による復興ボランティア活動にも熱心に取り組んでおり、こうした活動もモニターで見ることができる。鍋島副社長は「当社の多様なCSR活動をご覧いただきながら、ご来館の皆様と地球環境や地域サポートについて考える場にしたい」と語る。
2階は三菱商事の事業内容や歴史の展示スペースになっている。テーブル型モニターと、壁面の大型ビジョン(80インチ)で、三菱商事が展開する世界中のビジネスを紹介するコーナーがあり、壁面には年表とアイパッドで三菱商事の創業から現在までの歴史が紹介されている。ここは企画展やセミナーなどを開催する多目的スペースとしても利用されており、MC FORESTはCSR活動の情報を発信するだけでなく、人と人との新しい交流を育む場でもある。NGO・NP Oと協同してイベントを開いたり、読み聞かせやお絵かきなどお子さんが参加できるプログラムなども組まれており、詳細は三菱商事のHPをご覧いただきたい。
10月の来館者は4127人。小学生からお年寄りまでたくさんの方が来館し、「森の雰囲気を感じた」「緑が多く、木の香りにとてもリフレッシュできた」「大人も子どもも楽しめるスペース」「中国語の表記があるのが嬉しい」などの感想が寄せられた。商談の前に立ち寄ったというビジネスマンからは「事前に三菱商事の勉強ができて助かった」という声も。
土曜、日曜も午前11時から夜20時まで開館しており、月曜が休館日。入館は無料だ。有楽町から大手町をつなぐ丸の内仲通りの街路樹に「シャンパンゴールド」色のLED約101万球が煌めく夕方5時以降がお勧めだ。