仮面か素顔か「橋下バットマン」

2012年9月号 連載 [いまここにある毒]

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暗雲垂れこめる経済の憂さを晴らすようにロンドン五輪でアスリートのヒーローやヒロインたちが量産された。勝者の歓喜と敗者の涙に、人々は自分を投影してやまない。「ヒーローには誰でもなれる。ごくささいなこと、少年をそっとコートでくるみ、世界はまだ終わらないと思わせるだけでいい」映画『バットマン』最新作でいちばん耳に残る台詞だ。この映画の暗さは勧善懲悪のゆえではない。仮面の「正義」が正義たりうるのかという自問。いつからか、コミックのヒーローが内面を語りだした。ダースベイダーのようなマスクで素顔を見せない敵役が、バットマンのもう一人の自分、アルターエゴに見えてくる。ヒーローは仮面にあらず、行為である――。総選挙近しと見てか、「大阪維新の会」を叩く紙爆弾――橋下徹市長の「女性スキャンダル」が週刊誌を飾った。でも、本人は「妻ですか、そらもう相当怒ってます。 ………

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