東大卒「ヤブ外科医」にご用心

陛下の執刀医、天野教授は日大出身。武者修行を積んだ「ゴッドハンド」は、怠惰な偏差値エリートからは生まれない。

2012年6月号 LIFE [天皇陛下がお可哀想]

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「受験界のエベレスト」――。東京大学医学部は、明治以来、全国の医学部に教授を送り込んできた「教授生産工場」である。東大医学部出身者のほとんどが全国の大学で教授に就任。さらに医学部長や学長、有名医療機関の院長の多くも東大医学部卒で、厚生労働省関係の審議会の会長や座長も、ほぼその出身者で占められている。東大医学部は医学界の頂点に君臨し、日本の医療行政を牛耳ってきた。東大医学部に入ることは、日本の医学界の特権階級に仲間入りすることであり、そこに加われるのは毎年わずか110人(理科Ⅲ類100人、理科Ⅱ類10人)の偏差値エリートに限られる。彼らは、合格によって特権階級としての将来を約束されるのだ。

出世のために理Ⅲに進学する灘高生

だが、偏差値エリートであることは、必ずしも優秀な医師や研究者であることを意味しない。東大理Ⅲの同窓会のことを「鉄門倶楽部」といい、灘高出身者が一大派閥を形成してい ………

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