日銀総裁の座を狙う財務省ADB総裁人事が試金石に

2011年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

  • はてなブックマークに追加

マニラに本部を置くアジア開発銀行(ADB)の総裁人事が注目を集めている。現在の黒田東彦総裁(元財務官)は就任6年を過ぎ、今年11月に任期切れとなる。ADBには1966年の設立以来、日本が8代連続で総裁を送り込んでおり、譲れないポスト。黒田氏の後任は、元財務官で国際協力銀行(JBIC)経営責任者の渡辺博史氏が有力とされてきたが、就任に難色を示しているようだ。ADB総裁は財務官経験者にとっては重要な転身先だが、「渡辺氏はマニラよりも、日本政策金融公庫から分離・独立するJBICのトップに魅力を感じている」(財務省筋)という。世界第2位の経済大国に躍進した中国がADB総裁ポストを狙っていることもあり、後任が決まらなければ、黒田氏が続投せざるを得ない。そうなると、財務省の日銀総裁取りのシナリオが狂うとの見方もある。財務省は13年4月に任期満了となる白川方明氏の次の総裁候補の本命 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。