野村が「二流」認めたジレンマ

リーマン買収から2年。上期の最終利益は33億円とスズメの涙。渡部社長のグローバル化は空手形か。

2011年1月号 BUSINESS [グローバル化に壁]

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えっ、と耳を疑った人が多かったのではないか。あの強気で鳴らしたノムラが、まるで自らを「二流」と卑下したとも聞こえたからだ。誰あろう、野村ホールディングス(HD)の渡部賢一社長その人である。11月29日、投資家向けの経営説明会に出席し、新たな金融機関規制の焦点になったSIFI(システム上重要な金融機関)に「野村は含まれないと考えている」と珍しく弱気な発言をしたのだ。リーマン・ショック以降、連鎖破綻を防ぐために国家が財政を傾けて救済しなければならないToo Big to Fail(大きすぎてつぶせない)問題に対処するため、巨大金融機関(つまりSIFI)にはBIS(国際決済銀行)規制の上にさらに自己資本の上積みを義務づけることで、ソウルG20サミットが合意した。SIFIの定義や規制の中身はこれからだが、シティグループやBOA、ゴールドマン・サックスの名があがる。裏返せば、SIFIとは「超 ………

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