11月初めに自民党有力議員の周辺から漏れ出したとされる極秘データ、「地銀、第二地銀の自己資本比率に関するシミュレーション」が銀行関係者を絶句させている。数カ月前まで政府や金融庁が「欧米に比べて傷は浅い」と太鼓判を押してきた我が国銀行業界に非常ベルが鳴った。地方景気の悪化、不良債権の増大に株価暴落が追い打ちをかけ、銀行の健全性を計る「物差し」というべき自己資本比率が瞬く間に落ち込んだからだ。中川昭一財務・金融担当相は11月7日、銀行の自己資本規制について、2008年12月期から12年3月期までルールを変更する考えを表明した。銀行の貸し出しなどの資産に対する自己資本比率は、国際基準行8％、国内基準行4％になっている。その基準を下回ると、金融庁が早期是正措置を発動する取り決めである。ところで銀行の自己資本は資本金などの「中核的資本（ティアⅠ）」と劣後ローンな ………