隙間市場から生まれる主流派

2008年10月号 連載 [industryの極意 第6回]

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自動車会社の主要な商品系列を構成しているのがメーンモデルだが、メーンモデルではカバーできない小さな市場を、ニッチ(隙間)マーケットという。市場が成熟するにつれ、顧客の価値観が多様化し、従来のモデルでは飽き足らない面が出てくる。メーカー間のシェア争いも激しく、小さい市場も無視できない。しかし作る側からすれば、ニッチは単なる落ち穂拾いではなく、もっと積極的な意味を持つ。ニッチ市場には多くの場合、特殊な領域、例えばオープンカーやスポーツモデルが多いのだが、年齢層やライフスタイルを絞ったモデルも散見される。メーカーにとってニッチは将来の商品情報を取る実験台の意味がある。もうひとつの意味はPR効果である。ニッチ市場に向けたモデルを通して「当社は普通の車ばかり作っている会社ではなく、高性能や面白メカニズムを提供する元気な会社である」と言いたいのである ………

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