武富士、アイフルを外資系証券が狙い撃ち

2008年8月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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大手消費者金融のマーケット評価が著しく分かれ始めた。メガバンク傘下に入ったアコムとプロミスに比べ、独立系の武富士とアイフルは株価、クレジットともに評価を大きく下げている。

なかでも、アイフルはマーケットで厳しく打たれる様相を呈している。きっかけは、米大手証券会社リーマン・ブラザーズが6月23日に発表したアナリスト・リポート。70ページにも及ぶリポートの中で、アイフルの借入金返済が危ぶまれることや、メーンバンクの住友信託銀行は金融支援する考えがないことなどが書かれていた。

アイフルはこれに激しく抗議し、法的措置も辞さないことを同27日に発表。リーマンはこれを受けてリポートの内容を訂正した。しかし、その後もアイフルの株価は大きく下がり、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場でもアイフルのCDSが売られた。なかでも1年物は1千ベーシスポイント(bp)超まで跳ね上がった。これは、「1年以内の倒産確率が高いとマーケットが見ていることを示す」(CDSに詳しい金融関係者)。

08年3月時点でアイフルが1年以内に返済を予定している借入金残高は5227億円と桁外れに大きい。これについてアイフルは「現金および現金同等物の残高は2573億円あり、返済資金は手当て済み」と説明するが、とりわけ外資系証券会社の間ではリーマンに限らず、アイフルの返済能力を危惧する声が多い。

同じように武富士も内部留保などが盤石であるにもかかわらず、一部の外資系証券などでネガティブな評価が目立つ。今期に入って資本調達の実施など財務基盤の強化を図っているが、CDSの5年物が600bpと、極めて低い水準になっている。

「CDS市場は外資系証券の意向が反映されやすい」(メガバンク関係者)といわれるが、それにしても2社のマーケット評価が著しく低いのは見逃せない。90年代の金融危機では、大手銀行がマーケットに狙い撃ちされて逃げ場を失った。果たして、この先どんな展開が待ち受けているのか。

   

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