中選挙区制復活を軸に「細川・小泉新党」が急浮上

2008年3月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]

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「細川護熙」という名の亡霊が帰ってきた。これまで神奈川県湯河原町に引きこもって陶器や書画製作にいそしんできた細川氏が2月1日から三重県菰野町の美術館で作品展を開いた。同地で地元紙記者らと久しぶりに「政治談議」を交わしたのだ。10年前の5月に突然、衆院議員引退を宣言、以来、表舞台からプッツリと姿を消した。この日、細川元首相は問わず語りで「日本も先進国として政権交代ができるようにならなければいけない」と発言、同席した記者たちを驚かせた。

実は、この細川発言には伏線がある。先月下旬、密かに小泉純一郎元首相と会談、衆院の中選挙区制度復活を前提とした政界再編で一致したという。細川氏が創立した日本新党に参加した小池百合子前防衛相、伊藤達也元金融相、鴨下一郎環境相は自民党で要職を経験し、一方、鳩山由紀夫幹事長、前原誠司前代表、枝野幸男元政調会長、野田佳彦元国対委員長、小沢鋭仁前幹事長代理は民主党中枢を占めている。

年内の解散・総選挙が有力視されているが、05年の「郵政解散」で当選してきた、いわゆる「小泉チルドレン」の一部と旧日本新党の一部が合流し、「細川・小泉新党」が結成されたら、政界再編の起爆剤になるに違いない。小泉氏が同じ神奈川県選出の甘利明経済産業相と菅義偉自民党選対副委員長に「党内で中選挙区制度復活論議を巻き起こせ」と助言したとも伝えられる。

細川、小泉両氏の「再登板」説は現実味が乏しいが、両氏を後ろ盾にした新党結成は夢物語ではない。福田康夫首相と小沢一郎民主党代表の2人が「大連立」を諦めていないだけに、中選挙区制復活を軸に結集する「細川・小泉新党」の動きが注目される。

   

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