「モバゲー」が青ざめた携帯の有害サイト目隠し
会員800万人の携帯サイト会社の株価が急落した。未成年の端末から、勝手サイトが締め出される恐れ?
2008年2月号
ネットコンテンツの検閲にもつながり、表現の自由にも関わる問題になりかねない。仮に検閲などといった事態に発展すると、携帯コンテンツ市場が萎縮する。そこで総務省が打ち出した打開策は、フィルタリングのための第三者機関設立だった。
「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(仮称)」と呼ばれるこの機関は、任意団体モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)を事務局として、コンテンツの審査を民間主導で行うことをめざしている。
運用開始予定は4月から。座長には一橋大学の堀部政男・名誉教授、座長代理は慶応大学の中村伊知哉教授、委員には教育関係者、弁護士などが名を連ねている。放送業界でいう放送倫理・番組向上機構(BPO)のような位置づけらしい。
12月26日に開かれた準備委員会の初会合では、オブザーバーとして総務省電気通信事業部消費者行政課の佐藤裁也課長が参加、総務省としての考え方などを示した。総務省はあくまでもこの機構が同省の下請けではなく、中立的な審査・監視機関だと知らしめたかったようだ。
中立機関に誰がカネを出すか
目隠しはホワイトリスト(許可リスト)にするのか、ブラックリスト(排除リスト)にするのか――といった具体的な方法論や審査内容には一切口出ししないことを4回も明言したのが印象的だった。
ただ、予定される体制図を見ると、検討するカテゴリーごとに作業グループを設置するなど、それなりの運営費が必要になると予想される。どこから捻出するのだろうか。
「オブザーバーの立場である国がカネを出すことはありえない。キャリア(携帯各社)に拠出を求めても、今も自分たちの負担で公式サイトのフィルタリングを実施しているのに、審査機関のための追加負担に応じるかどうか」と総務省関係者は言う。
コンテンツを囲い込みたい携帯各社がもし運営費を出すとなると「カネも出すが口も出す」にならないか。中立性を担保し、透明性を確保する意味でもキャリアの関与だけは避けたいところだろう。
そこで、MCFの岸原孝昌事務局長に聞いてみた。「運営資金の部分はまったく未定。たとえば、コンテンツプロバイダー(CP)から審査・認定料として集めるなど、あらゆる可能性を検討する」という。
だが、いかなる形にせよ、CPといった組織や団体などから資金提供を受けた場合、審査の中立性が保てるのかが気になる。岸原氏は「企業出資とは性格が異なる。カネを出したからといって、運営や審査の内容にまで口出しできないのがこの機構」と言い切った。
この「目隠し」騒動は、携帯ビジネスのオープン化をめぐる総務省と携帯各社の角逐に、新たな一石を投じそうだ。
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