前任グリーンスパンの「負の遺産」がサブプライム危機。FFレート下げのジレンマに悶々とするが。
2007年10月号 BUSINESS [バーナンキ金融政策]
「バーナンキの歌」――8月31日付の米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、そんなタイトルの社説を掲げた。ニヤリとした人もいたろう。旧約聖書をもじったパロディー文体だからだ。「カントリーワイドの館より、嘆きの声ぞ聞こえたり。ドッドとシューマーの地より、世論調査の歯ぎしりあり。ベア、リーマン、クレーマーの王国より、イタリア服の破れものあり。栄光ある慈悲深きFRBよ、正義の手をわれらが敵に下せ」この擬古文を一読して意味がわかるのは、相当なウォール街通である。「カントリーワイド」とは、サブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)問題に揺さぶられる住宅ローン最大手の社名、「ドッドとシューマー」は金融族の米上院議員のことであり、ベア、リーマンは投資銀行、クレーマーは有名投資家の名だ。どれもサブプライム絡みで、最近の経済ニュースに名が躍った ………
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