米クライスラー解体の瀬戸際

派手な買収報道は「自作自演」か。極度の本業不振で新たな嫁入り先探しに漂流。

2007年4月号 BUSINESS

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米ゼネラルモーターズ(GM)、仏ルノー・日産自動車連合、韓国の現代自動車、中国の第一汽車……。ダイムラー・クライスラーが、不振が続く北米クライスラー部門についてその分離、売却も辞さないと示唆してからこれまでに同部門の買収候補として名前の挙がった企業は枚挙にいとまがない。しかし、どれも信憑性に乏しい。ろくな商品開発能力もなく、全米自動車労組(UAW)の影響が強い企業の買収に手を挙げる経営者はまずいないと見られているからだ。クライスラーには、もはや自前で小型車を開発する力は残っていない。北米ではこれまで売れ筋だったミニバンやSUV(多目的スポーツ車)といった大型車から、小型車にシフトしている。その流れに全くついていけない惨状にある。クライスラーを再建したアイアコッカ氏の下、独自開発し、日本車キラーと騒がれた「ネオン」の悪評を最後に小型車の開発からは事 ………

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