ファイザー――崖っぷちの「超巨人」

世界最大の製薬会社がのた打ち回っている。新CEOが1万人削減計画を発表。労使紛争の前科がある日本法人で再び大騒動が起こりそうだ。

2007年3月号 BUSINESS [企業スキャン]

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 世界最大の製薬会社である米国ファイザーがもがき苦しんでいる。同社の新たな会長兼最高経営責任者(CEO)となったジェフリー・B・キンドラー氏は1月22日、全世界で1万人の人員削減計画を打ち出した。同社は企業業績の低迷、そして何よりも株価低落に対応するため、すでに何度かのリストラ策を発表してきた。にもかかわらず、さらなるリストラに追い込まれたのは、超大型新薬と期待されたトルセトラピブが開発中止になったからだ。 ファイザーは単品売上高が129億ドル(2006年実績)という、世界トップの数字を誇る高脂血症治療薬「リピトール」を保有。国内最大手の武田薬品工業の連結売上高約1兆2千億円を軽く凌駕する。しかし、その「カネのなる木」のリピトールは2010年に特許が切れる。トルセトラピブは、リピトールを補強する薬剤であり、同社の成長に不可欠の薬剤と見られていた。 同社は昨 ………

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