六本木ペニンシュラ――町井久之の戦後史
<上>朽ちた要塞と理想郷の残骸
2006年10月号
[集中連載]
城内 康伸
若者や外国人でにぎわう東京.六本木。夜ともなると、待ち合わせの男女でごった返す六本木交差点から西北へ、数十メートルほど奥まった一角がある。堀江貴文ら渋谷ビットバレー族が一堂に会したこともあるディスコ「ベルファーレ」を見下ろすように、要塞のようなビル群が聳えたつ。約1200坪の広大な土地だが、1階部分でパブや小さな宝石店が営業している程度で、古びたコンクリート壁は表通りとは趣を異にした、重苦しい雰囲気を漂わせている。
不動産登記簿をめくると、かつて韓国政府の国営だった韓国外換銀行の540億円を筆頭に ………