武田薬品vs国税庁「移転税制」紛争の舞台裏

過去最大の追徴額を食らった武田は徹底抗戦の構えだが、国内大手メーカーは戦々恐々。

2006年9月号 BUSINESS

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 国税当局が武田薬品工業など国内大手メーカーに対し巨額の追徴に動いている。申告漏れを指摘された各社は争う姿勢だが、貿易相手国の利害も絡み、紛争の先行きは不透明だ。 大阪国税局は今年6月、武田に対して約1200億円もの申告漏れを指摘した。移転価格税制と呼ばれる国際課税ルールに基づくもので、追徴額は法人税、地方税などで合計約570億円。移転税制による過去最大の追徴額となった。 グループ内の国際取引を対象にした移転税制。日本の親会社と海外にある生産・販売子会社との取引が「市場価格」でなされたとみなして、親会社の所得を再計算し、法人税などを課す税制だ。 単純な例で説明すると、日本での1個当たり製造原価を30円、これを輸入して米国で100円相当の値段で販売する現地子会社があったとする。現地子会社の販売経費が1製品当たり20円だとすると、親会社と現地子会社の間で50 ………

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