10年余り前ラジオを聞いていると、FACTAの編集長の宮嶋さんが出演していた。「ソニー追い出し部屋」という内容で興味深く聞かせてもらった。ソニーのリストラについて綿密に追っていた。調べてみると、FACTAでは、2013年10月号以来18回連載されていた。宮嶋さんは、「ニッポン株式会社のきしみである」と指摘していたが、「このニッポン株式会社で声にならない声を拾い上げていく」この取材姿勢こそがFACTAの真骨頂だと思う。

私は、埼玉県立高校の教員である。深刻な経済格差が進行する中で、現在の学校にはその影響を受けた生徒たちがいる。片親で経済的に貧困な家庭の生徒、生活保護世帯の生徒、児童養護施設の生徒など。厳しい環境で生きている生徒の叫びを聞こうとする教員は少ない。はみ出しがちの生徒を出来れば排除したいという雰囲気が現在の学校にはある。

FACTAには、これからも「ニッポン株式会社のきしみ、働く者の声なき声」を取材して伝えていって欲しいと期待している。

埼玉県立高校教員　金井克安