2025年10月号 連載
7月の参議院選挙で、ジャイアントキリング(大番狂わせ)で有名になった茨城県の有権者として、身近で選挙を観察できた。茨城県は定数2の無風区で、長らく自民党と旧民主(連合茨城推薦)の指定席でしたが、今回立憲民主党の現職が落選した。
公示当初の茨城選挙区は盛り上がりがなかった。ところが終盤になって、立憲民主党の野田代表ら幹部が茨城県に入ることとなり、立憲民主党の選対が「無風区でなぜ」「こんなに追い上げられているのか」とビックリしたとのこと。結果は、立憲現職が「追い抜かれて」落選。参政党の女性候補が当選した。
落選した立憲民主党の候補者は、石破首相が新人議員に10万円商品券を配ったことなどを追及するなど、国会では評価が高かった。しかし地元では6年間に名前すらも聞いたことのない有権者が、とりわけ茨城県南、鹿島地域など東京通勤者に多かった。如何ともしがたい敗北だ。
「選挙とお産は毎回が勝負」である。この鉄則を忘れた候補者陣営には、勝利の女神が寄り付こうともしない。
元文部科学大臣秘書官 鳥居徹夫