「総合」病院の看板に固執する医療機関はもはや生き残れない。東京でさえ「医療砂漠」になりかねない。
2025年8月号 LIFE [病院崩壊]
日本の医療は崩壊の瀬戸際に立たされている。前号では、大都市近郊において経営が悪化する前に民間病院が自主的に閉院する「立ち去り型サボタージュ」の実態をご紹介した。今回は東京や大阪の大都市中心部に位置する病院が直面している深刻な経営危機について考察したい。まず取り上げたいのは順天堂大学だ。慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学と並ぶ私大医学部の名門だ。順天堂は、がんや心臓病の手術件数で他の3校を上回り、最も勢いがある大学と考えられている。ところが、順天堂でさえ苦境に陥っているのだ。医科大学の中核事業は附属病院だ。順天堂の場合、2024年度の経常収益は2218億円。このうち1870億円(84%)が附属病院の医業収益だ。前年度から90億円(5.0%)増加したが、最終的に57億円の経常赤字となった。病院経営における最大のコスト要因は人件費だ。厚労省の『病院経営 ………
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