2026年11月号 DEEP [ディープ・インサイド]

「入金QUICK」のサービス紹介資料(HPより)
SBIグループでEC決済事業などを手がける「SBI FinTech Solutions」(以下SFS)がこのほどファクタリングサービスの新規受付を終了したが、その背景に関心が寄せられている。
ファクタリングとは事業会社の売掛金を買い取り、資金繰りを支援するサービス。SFSは「入金QUICK」の名称で提供してきた。サービス終了の理由についてSBIホールディングス広報は取材に「SFSが事業ポートフォリオ全体を見直した結果」などと回答したが、鵜呑みにはできない。事情通は「もともと上手くいってはいなかったところ、破産した名古屋のアパレル会社『カフカ』に9千万円も引っかかったのがダメ押しになったようだ」と明かす。
カフカは5月末に事業を停止し、7月21日に裁判所から破産手続き開始決定を受けたが、単純な経営難による倒産ではなさそうだ。負債総額は2025年4月期の決算書上では約30億円だったところ「破産申立書」には26年4月期決算が添付され、負債が60億円に倍増していた。業績は売上59億円に対し原価が100億円計上され、45億円もの最終赤字に転落。仕入れ債務や借入金を増やしつつ、在庫は払底していた。前の期の在庫は13億円だ。
カフカ経営陣は破産理由を「円安進行」などと陳述したが、そもそも債務履行の意思があったのか問われかねない酷い決算だ。債権者一覧にはSFSだけでなく、銀行や仕入先が多数名を連ねた。予見しづらい倒産だったのは間違いない。
カフカの破産直後にSFSでは社長が交代した。SBI総帥の北尾吉孝氏が審査の甘さに激怒したと解説する向きもあるが、SBI広報は「SFS前社長は長期療養中だった。北尾はSFSの経営判断や意思決定の過程に一切関与していない」などと回答した。