連載/病める世相の心療内科/人類の寿命延ばす「もののけ姫の森」/遠山高史・精神科医

2026年10月号 LIFE [病める世相の心療内科]

ネパールの大土石流の起こった数日後、岐阜県郡上八幡の山奥にある友人の山林を見に行った。麓の村には鬼の首を祭る寺とか、蛇姫様のいる泉とか、精霊がお泊りする鍾乳洞とかが点在し、そこから曲がりくねった山道を分け入ると、山々が重なり、木霊がかえり、鬱蒼とした森、まさしく、もののけ姫の世界が広がっていく。林道に横たえられたヒノキや杉の幹から木の香りが漂い、すこぶるリフレッシュした気分になる。アマゾンの熱帯雨林に行ったことはないが、国土の67パーセントを占める日本の森は、私が行ったことのあるどの国の森よりも深い緑に覆われていると思える。炭酸ガスなどの排出も少ない。そもそも木材の加工には、金属材料ほどの莫大なエネルギーが要らないから、この頃ようやく高層ビルにも木材の柱が使われるようになってきた。これまで、いくつかの精神病院の建設にかかわってきた。木材で ………

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