インド・ダラムサラ「チベット亡命政府」探訪記/金牧功大・政治学者

「グラミー賞」受賞のダライ・ラマ14世は健在。もはや「独立」は放棄。

2026年6月号 POLITICS

「グラミー賞」と言えば米音楽界最高の栄誉である。26年2月、意外な人物がその栄冠に輝いた。ノーベル平和賞受賞者のダライ・ラマ14世である。調和、慈悲、平和をテーマにダライ・ラマが英語で語り掛ける作品『メディテーションズ』が「最優秀オーディオブック、ナレーション、ストーリーテリング・レコーディング賞」を受賞したのである。中国政府は強く反発した。中国外務省の林剣副報道局長は記者会見で「芸術に関する賞を反中国の道具として使うことに断固反対する」と語った。中国にとってチベット問題は新疆ウイグル自治区問題と並んで喉に刺さったとげであり、ダライ・ラマは「宗教の衣をまとい、反中国分裂活動を行う亡命者」なのである。そもそも「ダライ・ラマ」という呼称は、チベット仏教における活仏の最高位の名称である。「ダライ」はモンゴル語で「大海」、「ラマ」はチベット語で「師 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。