連載/病める世相の心療内科/現代の「孤独」に響く映画『道』/遠山高史・精神科医

2026年4月号 LIFE [病める世相の心療内科]

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通院患者やその家族から、家庭内の確執について聞かされることが増えている。病の性質上、家族間の関係は重要で、そのありさまが病の状態を大きく左右する。家族間の関係の調整は、病状の改善にとって不可欠である。しかし、主たるストレスの元とされる構成員を呼び出して、関係の調整を図ろうとするのは、およそ現実的ではない。その人物が一緒に外来に来るぐらいなら調整は難しくないのだ。実際は、問題の人物が来院することはほとんどなく、受診者一人の話だけで他の家族の責任を求めることもできない。仮に家族が同席して話を聞いたとしても、互いに問題意識を共有できるとは限らないうえ、精神障害が絡む場合は、有効な解決法を示し得ないことの方が多い。保健所などの行政の相談窓口に行ったとしても、互いに主張が平行線をたどる場合は打つ手がないのが実情である。例えば子供二人が共に障害を抱 ………

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