連載「経済断影」/「PB黒字化目標」はデフレ時代の遺物か

2026年1月号 LIFE [経済断影]

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「責任ある積極財政」を掲げる高市早苗首相が単年度の財政再建目標の撤廃を表明し、波紋を広げている。これまで政府・与党は財政再建目標として、単年度の財政収支に注目する「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化」を唱えてきた。だが、高市氏はこのPB黒字化目標を廃止し、「政府の純債務残高の対GDP(国内総生産)比率」に代える方針を打ち出した。PBは社会保障や公共事業、防衛費などの政策経費を国債発行に頼らず、税収で賄う指標である。政策経費が税収の範囲内に収まっていればPBは黒字化し、税収を上回っていればPBは赤字となり、国と地方の債務総額は積み上がる。我が国では30年近くPBの赤字が続いており、国債発行残高は1100兆円を超えている。高市氏は国会質疑の中で、単年度のPB黒字化目標を撤回する方針を示した上で、数年単位で政府債務残高をGDPに比べて一定枠内に収める ………

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