血税「ラピダス」製造技術に傾倒/ファウンドリーの自覚なき惨憺

TSMCにあって、ラピダスにない「ファウンドリー」の本質とは。

2026年1月号 BUSINESS

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先端半導体の量産を目指すラピダスが息巻いている。11月下旬、政府から2026~27年度に約1兆円の追加出資を受け、31年度に株式上場を目指す計画が明らかになった。27年に回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の先端半導体の量産を始めるが、29年に次世代にあたる1.4ナノメートルを量産することも判明した。従業員も1千人を超え、日本の半導体復権に邁進する印象を受けるが、実態は異なる。ファウンドリーの必要な要素に欠けるラピダスが進む先には失敗の必然性をはらむ。「台湾積体電路製造(TSMC)との差は歴然だ」。ラピダスから製造委託の営業を受けたある関係者はこうぶちまける。差というのは製造技術のことではない。ファウンドリーは単に顧客が設計した半導体を製造するだけのビジネスではない。顧客が求める機能を複雑な先端半導体に落とし込む設計サポートなどが欠かせないのだ。TSMCのビ ………

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