「新NSS」の衝撃/トランプは「西半球防衛」専念/「戦後リベラル秩序」は終焉

2026年1月号 POLITICS [「暗闇の森」を歩く]

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「我々はモンロー主義の『トランプ系』を主張し、実行する」――。トランプ米大統領が発表した米国の国家安全保障戦略(National Security Strategy/以下、新NSS)は、西半球を米国の勢力圏とみなして権益確保を前面に打ち出す一方、欧州諸国には極めて厳しい姿勢を示した。孤立主義の道を選び、「西半球防衛」に専念することを宣言した新NSSは、第2次世界大戦後、米国主導で築かれてきた既存のリベラルな国際秩序を終焉させるものになるかもしれない。米国の新NSSは基本的に4年に1度の頻度で策定される米国の外交安全保障の指針となる戦略文書であると同時に、超大国の戦略文書であるがゆえに世界秩序の形成に極めて大きな影響を与えてきた。トランプ政権1期目の国家安全保障戦略では、中国とロシアを初めて「戦略的競争国」と位置づけ、次のバイデン政権の国家安全保障戦略でもこうした考え方を引き継 ………

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