2025年11月号 DEEP
「この世はすべて舞台。男も女もみな役者に過ぎぬ」(「お気に召すまま」)――。シェイクスピアの有名な喜劇のセリフのように、10月4日に行われた自民党総裁選は勝者と敗者のドラマを鮮やかに描いた。多くの首相を輩出した名門派閥でいずれも将来の首相候補と目されてきた茂木敏充と加藤勝信。高市早苗が女性初の総裁に選出される傍ら、2人の立場は一瞬で逆転した。10月4日午後、東京・永田町の自民党本部8階ホール。1回目の投票結果が発表された時、茂木は口を結んだままジッと前を見つめていた。昨年の総裁選に続く2度目の挑戦だったが、5人の候補者中最下位の49票。うち国会議員票は34票と前回と同じで、4位で20歳下の元経済安全保障担当相、小林鷹之より10票少なかった。「茂木は完全に終わった」。何人かの自民議員と同様、その場にいた加藤の脳裏にそんな思いがよぎったかもしれない。前回総裁選で ………
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