ヤゲオとの芝浦電子争奪戦で負けても「これも勝ち」と強弁。仕掛けた経産省は知らん顔。
2025年11月号 DEEP
電子部品のニッチトップ企業である芝浦電子の争奪戦が10月3日に終結した。台湾電子部品大手の国巨(ヤゲオ)が買収し、国内同業大手のミネベアミツミは敗れた。ただ構図はそれほど単純ではない。裏で暗躍したのが経済産業省だ。2016年のシャープ争奪戦の失敗と同じく、台湾企業に技術を持つ国内メーカーをさらわれた。
8カ月間続いた買収合戦は、ヤゲオによる2月の同意なきTOB(株式公開買い付け)表明で幕を開けた。ヤゲオ側は経産省が23年8月に策定した「企業買収における行動指針」を受けて日本企業に照準を定めた。同指針は国内上場企業に対して「株主利益を守り、企業価値向上のためにM&A提案に真摯に対応せよ」と明確に記されている。投資銀行業界は「事実上の市場開放宣言」と受け取った。日本企業はM&Aを簡単には拒否できなくなったとされる指針だ。M&Aによって規模拡大を続けてきたヤゲオ ………
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