本当に欲しかったら、買い手となる日本勢はとっくに出ているはずだが……
2025年11月号 BUSINESS
日本経済団体連合会(経団連)会長を2人も輩出した住友御三家の一角、住友化学が過去最大となる最終赤字3118億円を計上したのは24年3月期のこと。25年3月期で純利益385億円を計上し、V字回復を果たしたこともあり、社内には「経営危機は過ぎ去った」とどことなく弛緩した雰囲気が漂う。不沈空母――。ある総合商社幹部は住友化学のことをこう評する。その心は事業ポートフォリオのバランスの良さにある。石油化学(石化)事業でキャッシュを得る一方、半導体材料など強みを持つ情報電子材料事業で利益を稼ぐ。その浮き沈みを底堅い利益が見込める農薬事業で支える。収益力のある医薬事業を手掛ける住友ファーマがそこに加わることで、どれかが落ち込んでもどれかがカバーするという理想的な形だったのだ。だが、孝行息子であった住友ファーマが変調を来したことが、落ち込む一方の石化とともに、住友化学 ………
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