連載・商略「探照灯」/「足利の奇跡」エアロエッジの快挙

2025年11月号 BUSINESS [商略「探照灯」]

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航空機部品の数は約300万点と自動車部品の100倍超。1度の事故が多くの人命に関わる航空機は強度や耐久性はもちろん、部品の製造日時や担当者、使用された材料ロットまでの厳格なトレーサビリティ(生産履歴追跡)の確立が必須だ。その要求水準をクリアし、航空機エンジン世界大手の「ティア1」(1次下請け)になった「町工場」がある。栃木県足利市に本社を置くエアロエッジ(東証グロース上場)だ。足利は伝統的な織物産地で、752年の奈良の大仏開眼の際に東大寺の御領地として織物を送ったとの記録が残っている。エアロエッジの源流企業の菊地歯車(足利市)はそもそも菊地義典・現社長の曽祖父が興した機織り業の流れを汲み、婿養子の祖父の提案で1940年(昭和15年)に機織り工場の片隅で歯車製造を細々と手がけたのが始まり。祖父は1943年にニューギニアで戦死。曽祖父と祖母は金属類回収令で機織り ………

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