2025年10月号 BUSINESS [ライフ・インサイド]
神戸市立神戸アイセンター病院が申請していた人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた新たな移植療法が8月、厚生労働省の専門家部会によって、「先進医療」として不適だと却下されたことが波紋を呼んでいる。先進医療とは、厚労省から認められると、技術料以外の入院費などを健康保険適用で治療を受けられる制度。iPS細胞を使った初のケースとして注目を浴びていた。しかも今回の申請の中心人物が、理化学研究所(理研)出身でiPS細胞研究の第一人者である高橋政代氏だったからなおさらだ。iPS細胞から作製した網膜細胞をひも状に加工し、網膜色素上皮不全症という重篤疾患の患者に移植する治療法で申請していた。だが、専門家部会は高橋氏らが症状の改善ではなく、移植で網膜の異常な領域がどれだけ減るかで申請していたことを問題視。効果が分かりにくいと却下した。治療費が1000万円以上となることも懸 ………
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