ついに親子2代の首相実現か――。首相の石破茂（68）の退陣表明を受けた自民党総裁選は2度目の挑戦となる農林水産相の小泉進次郎（44）が勝利する公算が大きくなっている。衆参両院で少数与党に陥るというかつてない状況の中で、小泉が総裁選を勝ち抜き、父の元首相・純一郎（83）のような長期政権に至るには、乗り越えるべき3つの「壁」がある。「党の分裂を招いてはならないと判断されたことに敬意を表したい」――。石破の辞任表明から一夜明けた9月8日、小泉はこう語るとともに、農政改革などに対する石破の支援に感謝を示した。2日前の6日夜、首相公邸を元首相の菅義偉（76）とともに訪れ、逡巡する石破に「名誉ある撤退」を勧めたのが他ならぬ小泉。「忘れられない時間になった」と振り返った2時間に及ぶ面会の翌日、石破は昨年10月から約1年に及んだ政権の幕を閉じることを表明した。