我が世の春を謳歌も、国内外で大型プロジェクトが相次ぎ中止の憂き目。梯子が外れた。
2025年10月号 BUSINESS
「水素を新たな電源として位置付け、水素飛行機や水素運搬船も開発する」。2050年のカーボンニュートラルを目指し、水素・蓄電池などの技術開発に2兆円規模の基金を創設すると当時の首相、菅義偉(76)がブチ上げたのは20年12月。重工・エネルギー各社が一斉に事業化に参集したが、「扱いが難しく高コスト」と言われる水素の弱点を克服できず、ここにきて内外の大型プロジェクトが行き詰まっている。そんな中「水素に社運を賭ける」と宣言してきた岩谷産業の動向に注目が集まっている。
菅内閣時代の水素2兆円基金構想は、後継首相の岸田文雄(68)が23年6月に法制化したグリーントランスフォーメーション(GX)計画でさらに拡大。日本政府は20兆円規模のGX経済移行債を発行し、そのうち3兆円を水素分野に充てる方針を打ち出した。24年5月には天然ガスなど従来の化石燃料と水素の価格差を政府が補助す ………
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