「大乱世」とミスマッチ/首脳外交の司令塔「林-岡野」

なぜ今か? 官房副長官補の市川恵一と国家安全保障局のNo.3 室田幸靖を官邸中枢から外したことが物議を醸している。

2025年9月号 POLITICS

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世界は大乱世に突入した。軍事力を誇示する一方、関税を直接の武器に替えて戦後秩序を壊しにかかっている米大統領・トランプ。地響きが聞こえて来る異次元変動と世界に吹き荒れるメガトン級の嵐、その只中で、参院選惨敗ショックを引きずる首相・石破茂の足元が大きく揺らぐ。「トランプ2.0」の下、各国とも海図なき「未知との遭遇」への対応に迫られているのだが、いまの日本には外交の司令塔が実質的に存在しない。本来なら、石破首脳外交を中心的に支えるはずの外相経験者、林芳正(官房長官)と首相ブレーンの役割を担う岡野正敬(国家安全保障局長)の「守りの外交」路線が、「大乱世の世界」へと激変した大情況とのミスマッチを起こしているためだ。

「類は友を呼ぶ」陣容に

この夏、霞が関幹部人事で、外務省に関わる二つの人事異動が注目された。その一つは、外交担当官房副長官補・市川恵一の退任、東南アジア諸国連 ………

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