2025年9月号 DEEP
世の中には契約破棄で買収予定額の3割にも相当する違約金をまんまと懐にした企業が存在する。東証スタンダード上場の自動車部品メーカー、イクヨがそれだ。話の発端は今年3月。イクヨは東京・上野の貴金属買い取り業者「アプレ」の株式約54%を最大約39億円で取得すると発表した。2025年3月期におけるイクヨの売上高は177億円。これに対しアプレの直近期は1637億円。まったく畑違いでしかも10倍近い売上高の会社を買収するわけだ。東証が定める「不適当合併等」にも抵触しかねない大胆な買収策だが、直後にとんでもない事態が起きた。アプレ側が「事前告知・説明はなく……合意した事実もございません」と発表、一方的な開示と非難したのである。結局、4カ月後にご破算となったわけだが、なぜかイクヨは多額の違約金をせしめることに成功した。じつはここ数年、同社の動きは不可解だ。同社は11年、日本ア ………
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