「国債含み損」と「預金減少」のダブルパンチ
2025年9月号 BUSINESS
7月31日、栃木信用金庫(栃木県)は、信金中央金庫(信金中金)から資本支援を受けると発表した。栃木信金の2025年3月期決算では最終黒字2・7億円を確保したものの、金利上昇により国債の含み損が50億円に膨れ上がり、保有する有価証券全体の含み損が、自己資本(52億円)を上回る68億円になったためだ。国債の大半は満期保有を目的にしており、償還前の損失処理は必要ない。しかしながら「信用金庫法は有価証券の含み損が自己資本を上回った金融機関は早期是正措置に抵触し、金融庁が業務停止命令を出すことができると定めている」(日本経済新聞)。このため、信金中金は栃木信金に50億円規模の資本支援を実施するワケだ。この先も金利上昇が続けば、国債の含み損が自己資本を上回り、早期是正措置に抵触する信用金庫が増える可能性がある。
「金利ある世界」の到来は銀行だけでなく、信金において ………
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