トランプ2.0/地に堕ちた「NASAの栄光」/倉澤治雄・科学ジャーナリスト

米国が60年以上かけて築き上げてきた宇宙覇権は揺らぎ、ガラガラと崩れ去ろうとしている。

2025年9月号 BUSINESS [宇宙覇権の行方]

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日本人宇宙飛行士・油井亀美也ら4名を乗せた宇宙船「クルードラゴン」は8月2日、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターからスペースXの「ファルコン9」で打ち上げられた。同日、国際宇宙ステーション(ISS)に到着、滞在中の宇宙飛行士大西卓哉と宇宙での再会を果たした。ISS滞在2度目となる油井は、「宇宙から見た地球はいつ見てもきれいで素晴らしい」と語った。一方NASA長官代行ショーン・ダフィーは「ドナルド・J・トランプ大統領の大胆なリーダーシップのおかげでNASAが復活した」と歯の根の浮くような賛辞を寄せた。しかしNASAは復活どころか、眼前には暗雲が立ち込めている。ISSは東西冷戦終結後の1998年に宇宙開発分野での米ロ友好の象徴として建設が始まった。しかし近年老朽化が著しく、冷却材の漏洩、構造材の劣化や亀裂、居住空間での空気漏洩などのトラブルが相次いでいる。とくにロシア側の ………

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