トランプ流を読み違えた上にウクライナを人質に取られれば、交渉で勝てるわけがない。
2025年9月号 BUSINESS
「ここは世界最高のコースだ。しかし地平線を見渡すと9基の風車が見える。美しい風景を殺している。環境に悪影響を及ぼす風力発電所が今後、米国で建設されることはないだろう」
7月27日、スコットランド西部ターンベリーのトランプ米大統領一族が所有するゴルフリゾートで開かれた米国と欧州連合(EU)の関税交渉。協議前に行われた会見でトランプ氏は米EU関税について「合意に至る確率は五分五分。まだ三つか四つ問題が残っているが、重要なのは公平性だ」などと触れただけ。残る大半の時間は関税とは無関係の、自説を開陳する放談に費やされた。「米国はガザに食糧支援したが誰も認めてくれない」「欧州の国はどこも寄付をしていない」。隣に座るEUのフォンデアライエン欧州委員長はただ黙り、死んだような表情で放談を聞いているしかなかった。両首脳はその数時間後、EUから米国に輸出する品目の ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。