キャノン絶対王の憂鬱/「89歳御手洗CEO」の後継者

御年89歳の絶対王は、好きなゴルフの回数が減った。後任の本命は小川氏、対抗は武石氏

2025年9月号 BUSINESS

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「変化は進化、変身は前進」――。キヤノン御手洗冨士夫会長兼社長CEO(89)が社内会議で好んで使う言葉だ。ただ1995年の社長就任から30年間もトップに居座る御手洗氏の発言となると説得力は乏しい。その言葉が語られるたびに、同社中堅幹部からは「トップ交代こそ最大の変化ではないか」との不満が漏れる。

「同じ言葉を繰り返す」

同社の取締役会は81年に取締役に就任した御手洗氏を筆頭に、95年に取締役になった田中稔三副社長(84)、2003年からの本間利夫副社長(76)が上位3席を固める。ここまで高齢の首脳陣が長期でカジ取りするグローバル企業は他にない。経営トップが変化せず、進化を生み出せていないキヤノンの成長は止まったままだ。24年12月期にようやく07年12月期に記録した最大売上高を17年ぶりに更新した。ただ24年の純利益は1600億円と最高益だった07年の3分の1にとどまる。24年の特別損失がなかったとしても ………

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