2025年8月号 BUSINESS [商略「探照灯」]
マツダと「住友」との関係を遡っていくと今から100年余り前に行き着く。創業者の松田重次郎(1875~1952年)は1915年10月、大阪で機械製造会社「松田製作所」(現・ニデックオーケーケー)を設立。発足後まもなく第1次世界大戦下のロシアから大量の砲弾用信管を受注し業容が一気に拡大、重次郎自身も巨万の富を築いた。だが、事業拡張目的の工場移転を巡り、大阪の財界人らが名を連ねる重役陣と対立。重次郎は会社を売却し、故郷・広島で再起を期す道を選ぶ。1917年9月、新設した会社の社名は同じ「松田製作所」(現・日本製鋼所広島製作所)。社長に迎えたのが住友本家初代総理事・広瀬宰平の長男である満正(1860~1928年)だった。ただ、新会社は出足で躓く。重次郎は技術開発担当の専務にとどまり、社長に満正、常務にやり手の資本家と評判の柴田為三郎を配し、財務を委ねる思惑だった。だが、資本 ………
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