連載「経済断影」/愚劣な「バラマキ」の応酬/「改革」唱える政党はどこに

2025年8月号 BUSINESS [経済断影]

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物価高対策が最大の争点となった今回の参院選は、与野党が現金給付や消費税減税で国民に税収を還元する政策を競い合う構図だ。日本記者クラブで開催された党首討論では、物価高対策の財源を巡って与野党が互いに「バラマキだ」との批判の応酬に終始したが、あまりにも低次元な論戦に驚いた。与野党いずれの政策も多額の財源を要するのは変わりなく、その意味で与野党とも選挙目当てのバラマキなのは同じである。自民・公明両党は、国民1人当たり一律2万円を給付し、子供と住民税非課税世帯の大人には1人2万円を加算する現金給付を公約に盛り込んだ。石破茂首相は「本当に物価高で困っている人に重点化する」としてバラマキ政策ではないと強調した。これに必要な予算は3兆円台半ばに達する見通しだが、新規に赤字国債は発行せず、税収の上振れ分と税外収入で賄うとした。これに対し、食品に対する消費税 ………

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