「欧州原発回帰」の火種/ドイツでは政争の具に

ウクライナ戦争で始まる原発復活ドミノ。しかしアンチ原発のドイツでは異なる事態に。

2025年8月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

欧州で、長らく距離を置いていた原子力発電に回帰する動きが強まっている。

SMRで脱ロシア依存

「風力発電と太陽光発電だけでなく、化石燃料以外のベースロード電源が必要だ。それなのに端から原発を排除するのは馬鹿げている」。1985年から40年間にわたって原発を禁止してきたデンマーク。アナス・フォー・ラスムセン元首相は2025年5月、英紙フィナンシャルタイムズに持論を語った。前後して現政権のラース・オーゴード・エネルギー気候相はSMR(小型モジュール原子炉)の社会的・経済的影響を評価する調査を始めると明らかにした。1987年に反原発を決めたイタリアも2030年代までに原発を復活させる方針を示している。ドミノの連鎖は続く。25年2月に新政権が発足したベルギーでは原発新設を制限していた法律を撤廃。既存原発の稼働年数延長と組み合わせることで、現在は4ギガワットの原発発電容量を、2倍の8ギガワット ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。