大川原化工機「最悪の冤罪事件」の深層/「安倍官邸ゴマすり」捜査の挙げ句の果て

東京高裁が「安倍官邸ゴマすり」捜査を断罪。時の国家安全保障局長の歓心を買う公安部。

2025年7月号 DEEP

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精密機械を不正輸出したとして逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された機械メーカー、大川原化工機(横浜市)の大川原正明社長らが国と東京都に損害賠償を求めた訴訟は一審に続き、5月28日の二審東京高裁判決でも捜査と起訴の違法が認定された。しかも高裁は警視庁公安部が立件の根拠とした法令解釈自体が「不相当」と踏み込み、捜査が経済安全保障を推進した安倍晋三政権へのゴマすりだった可能性をうかがわせた。国と都は上告できず、同社側への計約1億6600万円の賠償命令が確定した。

警視庁に追随した塚部検事

高裁判決などによると、同社の主力精密機械は液体から粉末の食品などをつくる噴霧乾燥機。カップラーメンのスープやインスタントコーヒー、各種薬品などの製造工程で広く使われている。2012年に生物化学兵器の拡散防止を目的とする国際輸出管理レジームの「オーストラリア・グループ(AG)」は、生物化学兵器の ………

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