連載/一夜で13人が犠牲、キーウ空襲の酸鼻/殺戮を止める気のないロシア/古川英治(キーウ在住)

2025年6月号 LIFE [ウクライナ・ダイアリー]

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午前1時、空襲警報が鳴り響いた。すぐに対空ミサイルによる迎撃の音が聞こえてきた。8階の自宅アパートの窓から外を覗くと、炎に包まれた物体が垂直に落ちていくのが目に入った。断続的に爆発の音が耳に入り、アパートの西方2カ所から煙が上がっているのが見える。そして、午前3時ごろ、振動を感じるほどの大きな爆発音がとどろいた。 ロシア軍はその晩(4月24日未明)私が住む首都キーウをはじめ各地をミサイル70発、ドローン145機で攻撃した。キーウでは13人の市民が犠牲となり、100人超が負傷した。 ミサイルが直撃した地区に翌朝向かった。自宅から5キロほどしか離れていない。地元メディアの記者に紛れて立ち入り禁止テープを越えて現場に入ると、集合住宅の1棟が倒壊し、瓦礫の山となっていた。周囲の建物も大半の部屋の窓ガラスが割れ、バルコニーは焼き焦げている。何台もの自動車も破壊されて ………

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