連載 「経済断影」/再び負担増を先送り「亡国の年金改革」/与党も野党も無責任

2025年6月号 BUSINESS [経済断影]

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年金改革法案が迷走している。石破茂政権は今国会に同法案を提出予定だが、夏の参院選を控えて与党内には「負担増を想起させる法案は有権者の反発を招く」として慎重論が根強く、一時は提出見送りを決めた。すると野党側は、厚生労働相に対する不信任案をちらつかせ、政府・与党に法案の提出を迫った。これを受けて石破政権は法案提出を決めたが、改革の柱だった国民年金の給付底上げ策を法案から外すなど、抜本改革からはほど遠い内容となった。石破政権は高額療養費の負担増を求める改革法案も断念し、一度は衆院を通過した2025年度予算を参院で修正する失態を演じた。 国民民主など野党各党は参院選に向け、消費税減税を一斉に掲げるなど攻勢を強めており、少数与党の石破政権は守勢に回る場面が目立つ。だが、少子高齢化と人口減少が同時進行する日本では、社会保障の持続可能性を高めるため、負担 ………

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